昆虫のなかでは身近ともいえるアリですが、その体の仕組みに興味をもったことはありませんか?

アリは集団で行動し、チームワークと知恵で活動している生き物です。

小さな体ながら大きな虫を餌にして巣に引きずりこんだり、フェロモンを道しるべに仲間を呼ぶなど、見た目からは想像だにしない特性がたくさんあります。

その小さな体にはどんな秘密が隠されているのでしょうか。アリの体の構造について詳しく見てみましょう。

アリの体ってどうなってるの?構造に迫る

アリの体は、基本的な部分は主な昆虫と同様頭部、胸部、腹部の三つからなっています。

さらにアリは胸部と腹部の間に腹柄というパーツが備わっています。

この腹柄がひとつか、ふたつかでそれぞれヒトフシ、フタフシと分類されることもあります。

アリ独自の体の特徴としては、この腹柄が挙げられるでしょう。

アリ 体 構造

頭部について

頭部は大顎、唇、複眼、単眼、触覚、ヒゲ、口から構成されます。

複眼というのが一般的に「目」として私たちが認識している部分で、実は小さな目がいくつも集まってひとつの大きな目を構成しています。「複」数の「眼」だから「複眼」ということです。

しかし、アリは視力が悪くあまりものが見えません。特に赤い色は認識できないようです。

また、一部のアリには単眼という目がついています。頭頂部にある単眼は光を感知するためのものです。

そして、視覚が弱いアリにとって重要なのが触覚です。

匂いを感知することができるため、餌探しやフェロモンを辿るのに用いています。アリのコアともいえる器官です。

胸部について

胸部は胸、脚、翅、脱翅痕があります。アリの脚は六本ありますが、すべてこの胸部についています。

翅は限られたメスとオスアリにのみ存在します。メスで翅が生えるのは次期女王アリです。

交尾をするために翅で巣を飛び出し、交尾を終えたあとにメスは翅を落とします。

翅を落とした痕が脱翅痕であり、以上のことから女王アリに見られるものとなっています。

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腹部について

腹部はそのう、胃、直腸、毒腺、末端がついています。

そのうとは、胃の上部にある器官で、他のアリや幼虫に餌を分け与えるための貯蔵庫といっていいでしょう。

餌を分けるときはそのうから口に戻し、口移しで他のアリに与えます。

逆に自分の栄養にするときはそのうから胃に送ることで栄養分を消化します。

また、腹部にはアリが敵襲から身を守るための蟻酸をつくる毒腺も備わっています。

腹柄とは

腹柄はアリの種類の判別に大いに役立ちます。

腹柄節によって接続が狭くなっており、アリは液体のみを胃に送ります。

固形物は口にため、砕いて唾液と混ぜて胃に送っていくことになります。

まとめ

アリの体にはいろいろな特徴がありますが、効率を重視した結果生まれたと考えられる特徴もありましたね。

たとえば翅はすべてのアリにあるわけではなく(そういう種類のアリもいますが)、交尾をするアリにのみ必要だから生えるといった具合です。

その翅も交尾を終えたあとはすぐにメスが落としてしまうので、非常に効率重視であると言えます。

働きアリが餌を集め、巣の中の仲間に分け与えるという意味では餌の貯蔵庫となるそのうの存在も特徴的です。

アリの体の構造は特有のコロニーに由来する部分があると考えられますね。

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