日本で最大の大きさと、飼育しやすさが魅力のクロオオアリ。一度飼ってみたい!と思っている方もいるのではないでしょうか。
さて、そのためにはまず女王アリを手に入れることが大事です。なぜかというと、すべてのアリは女王アリから生まれ、代替わりしながら群れを作っていきます。そのため、女王アリがいない群れは、自然となくなってしまうのです。女王アリを確保して大切に育てることが、アリの飼育の第一歩であると言えるでしょう。
それでは、その女王アリは、どうやって手に入れたらよいのでしょうか。最近はアリを専門に取り扱っている業者さんもたくさんいるので、お店で買うこともできるのですが、今回は、自分で採集する方法をご紹介したいと思います。
クロオオアリの女王アリを採集するには
クロオオアリは、林や森などのほかにも、公園や緑地、住宅の庭に至るまで、広く生息しています。しかしその中でも、女王アリを採集するためには、まずどの個体が女王アリなのか判別する必要があります。
他のアリと比べて体の大きいアリを探せばそれが女王アリ、と思われるかもしれませんが、中には女王アリに匹敵する大きさの働きアリが存在することもあるため、大きさだけでは判別は難しいでしょう。
女王アリを探すには、5月から6月ごろ、雨あがりで湿度の高い日の午後、風が弱いときがチャンスです。おおまかな巣の場所がわかればその周辺を、わからなければ小石の裏などに潜んでいないか、慎重に探してみましょう。
体の大きなアリを見つけたら、ひとまず胸の部分をよく観察してみましょう。胸のあたりに、小さな凹みのようなものがいくつか見られることがあります。これは「脱翅痕(だっしこん)」といって、女王アリが結婚飛行を行ったあとに、羽を落とした跡です。この脱翅痕があれば、女王アリだと思って間違いないでしょう。傷つけないように優しく採集しましょう。
脱翅痕のある女王アリはお腹に卵を持っているので、採集後間もなく卵を産み、群れを増やしてくれます。
まとめ
クロオオアリを飼育したいと思ったら、ぜひ最初に女王アリを手に入れましょう。女王アリを大事に育て、働きアリが増えてゆくと、その後の楽しみがぐんと広がります。
自分で女王アリを採集するのはなかなか骨の折れる作業ですが、それだけの価値はありますので、頑張って探してみてはいかがでしょうか。