比較的簡単に飼育できるアリとして人気のクロオオアリ。上手に飼うことができれば、長い期間その様子を観察することができます。
こんなに小さい昆虫が長生きするの?と思われるかもしれませんが、それにはアリのコロニー(群れ)の仕組みが関係しているのです。
では、クロオオアリは具体的にどのくらい長生きするのでしょうか。アリの生態を踏まえて、解説したいと思います。
クロオオアリと女王アリの寿命
同じクロオオアリでも、その役割によってそれぞれ平均寿命が変わってきます。
まずは働きアリ。成熟したコロニーでは100匹以上いるというこの働きアリ、寿命はおよそ1年から2年と言われています。
それほど長生きという感じではないですね。もちろん、たった1代の働きアリだけでは、すぐにコロニーはなくなってしまいます。
なので、働きアリよりも長生きする女王アリが必ずコロニーに必ず存在します。女王アリが毎年卵を産み続け、その卵が成長して新しい働きアリになることで、長い時間をかけてコロニーを維持していくことができるのです。
それでは、その仕組みの柱である女王アリの寿命は、どのくらいなのでしょうか。
こちらは働きアリとは段違いに長生きします。平均で約10年、長い個体だとなんと20年ほども生きると言われています。
そして女王アリは、生きている間ずっと卵を産みつづけます。つまり、飼育しているコロニーの中で女王アリが生きている限り、新しい働きアリが生まれつづけるので、その期間はずっと観察を楽しむことができる、というわけですね。
ちなみに、羽アリとして知られるオスアリですが、こちらは生まれて約1ヶ月で成虫になり、巣から出ていきます。そして、女王アリとの結婚飛行を終えると同時に地面に降り、そのまま寿命を終えます。クロオオアリの中では、一番短命のアリなのですね。
まとめ
いかがでしたでしょうか。クロオオアリを長い間飼育することのできる理由が、お分かりいただけたのではないかと思います。
餌や湿度などに気を配り、まめに面倒を見てあげると、10年以上も飼育することのできるクロオオアリ。中には15年もの長い間、飼育に成功した例もあるそうです。
もし飼うなら、ぜひとも長生きさせてあげたいですね。