地面の上で列を成すアリ達。枯れ葉をめくるとその下に居るダンゴムシ達。どちらも同じように、あまり人目につかないじめじめした場所でワラワラ群がっているイメージがありますよね。見かけるときは見かけるし、見かけないときは見かけない。なんだか共通点がいろいろあるところから考えてみると、アリとダンゴムシって、ちょっとした共生関係にありそうなイメージが湧きませんか?

でも、実際のところはどうなのか、あまり考えたことなんてありませんよね。パッと形を思い出せるほど人々の印象に深く根付いているアリと、見かけるとなんだかつつきたくなる形をしているダンゴムシ。見た目のかけ離れた二つの種族、その実態はどうなっているのでしょうか。

アリとダンゴムシは敵対関係!?

実は、そもそもダンゴムシはアリと同じ「昆虫」ではないんです。れっきとしたワラジムシ目の動物であり、その見た目の通り、「甲殻類」として指定されています。農家の方にとっては、作物のやわらかなところを餌として好んで食べてしまう動物であるため、甲殻類ではありながら”害虫”認定されてしまっていたりするようですね。

蟻 ダンゴムシ 関係 食べる

そんなダンゴムシは、なんとアリと敵対関係にあります。敵同士、というより、ダンゴムシにとってのアリは、自らの天敵にあたるとても危険な生き物と言えるでしょう。

ダンゴムシはアリのように集団で行動することはあっても、特に攻撃性が高いわけでもなく、毒があるわけでもなく、まして防御するには丸まることしかできない生き物です。それはもう、ありとあらゆる生き物にとって簡単に食べることのできる種族なんですね。そう、それはアリにとっても同じことです。

アリはダンゴムシを食べる!?アリにとってはいい餌場!?

ダンゴムシにとってアリは天敵であるため、発見次第すぐに警戒して自分の身を守ろうと丸くなります。
しかしダンゴムシを飼育し始めた方にはよくある失敗のようですが、ダンゴムシの入っているケージの中に、いつの間にかアリが入り込んでいて、飼っていたダンゴムシが食べられてしまっていた……ということもあるみたいですね。

アリは基本的に集団行動を取る生き物です。狩りに出る際も、一匹だけで出ていくのは最初に餌がどこにあるかを見つけるための時だけです。実際に餌を持ち帰ろうとする場合は、普段よく見かけるように、最初に飛び出していった一匹が残してきたフェロモンを辿り、隊列を成します。

スポンサードリンク

そうして軍隊で行動するアリは、いくらダンゴムシが身体を丸めて守りを固めても、数によってその装甲を無効化してしまうんです。前述の通り、ダンゴムシは丸まる以外に身を守る術を持ちません。

そのため、ダンゴムシにとってアリが天敵であるのと同時に、アリにとってもダンゴムシは「格好の餌」なんです。その光景そのものは……ちょっと、想像したくはないですね。

まとめ

同じワラジムシ目でも、一部のワラジムシはアリの巣の中で仲良く暮らしていたりします。それなのに、同じワラジムシ目のダンゴムシと基本的なアリは敵対関係にある、と聞くと、なんだか生き物の世界の不思議さの一端に触れた気がしませんか?

同じような場所で同じような生活をしているのに、その関係性は実に一方的なものです。ダンゴムシにとってはたまったものではありませんが、アリにとっては「これからもよろしく」といった感じなのでしょうか。

ビジネスパートナーとは言い難い、本当に一方的な関係ですが、アリとダンゴムシの因縁はまだまだ深まっていきそうですね。

スポンサードリンク