街や森や公園、まれに住居内などに生息するアリ。街では地面を這い、公園の中では集団で物を運ぶ姿が目に入り、住居内では巣を作り虫害を生んでしまう。良くも悪くも、あまりにも私たち人間にとって身近な昆虫ですが、その小ささのあまり、気付かずに踏んでしまう、1匹程度なら簡単に駆除できてしまう、そんな弱いイメージを抱くことでしょう。

しかし、アリという昆虫は、実は大いに力がある生物なのです。一見、弱々しい生物に見えるアリは、どれほどタフな存在なのでしょうか。

今回は、「もしアリが人間サイズだったなら」として、アリの強靭さを見ていこうと思います。

蟻 人間 比較

蟻と人間を比較してみよう!

アリが、人間と同じサイズになったとして、体重はどれほどになるのでしょうか。

日本に多く生息するクロヤマアリを例に出すと、働きアリの場合、1匹の全長は6mmです。これを、日本人の平均的身長である167cmで比較した場合、人間はアリの約278倍もの身長があることになります。クロヤマアリの1匹の体重は10mgとなるため、身長を人間サイズにした場合、2.78gになります。

続いて、アリが人間と同じサイズになったとしたら、どれほどの力になるのでしょう。体重で比較すれば極めて軽量なアリですが、しかし、物を運搬するときにかれらは力を大きく発揮します。

先ほど例に挙げたクロヤマアリは、自分の体重の25倍の物を、たった1匹で運搬することができます。10mgのクロヤマアリが、自分の25倍、250mgの物を運べるということは、60kgの人間に換算すると、1.5tの物(トラックなど)を悠々と運べることになります。

スポンサードリンク

また、アリは集団で生活する昆虫であるため、自分の手に負えないほどの大きな物も、集団で持ち上げれば、悠々と巣穴まで持ち帰ることができます。

まとめ

アリは、人間サイズにしてもなお軽量の昆虫ですが、1匹のもつ力は非常に大きく、25倍の物を運ぶことができることがわかりました。

私たち人間にとっては計り知れない、想像し難い特性ですが、ときに1匹で、ときに集団で物を運べる力をもつことで、かれらの小ささや体重の軽さをカバーしているのでしょう。

スポンサードリンク