人間にとって、身近な昆虫のひとつに、アリが挙げられます。家を出れば、または家の中でも、アリは身近に存在しています。

たとえば、公園のベンチに座り、ふと足元を見ると、地面をうろうろと這うアリが見えることでしょう。道を歩いていても、ふと立ち止まれば、靴の傍をアリがうろついていることもよくある光景です。または、ときたま、家屋のなかに入り込み、巣を作って棲み処とすることもあり、その時には、大変に厄介な存在ともなります。

私たち人間にとって、良くも悪くも身近な昆虫、アリ。きっと、あまりに小さいあまり、気付かぬうちにアリを靴で踏んでしまうことも、部屋の中に徘徊するアリを退治することも、よくあることです。しかし、ふと思えば、かれらアリにとっては、私たちを人間として認識しているのでしょうか。それとも、巨大な壁、のような認識でいるのでしょうか。

蟻 人間 認識

今回は、アリが生きるうえで、どのようにものを認識しているのか、そのなかで、人間を認識できるのかを、ご紹介します。

蟻は人間を認識していない!?

アリの性質をみていくと、人間が認識できているかどうかが、わかってきます。アリは行列を作って、巣の穴から出ては餌を求め、集団で協力し、餌を巣へと担ぎ帰ることは、現実でみられることはなくとも、図鑑や映像で見たことがあるかもしれません。

アリが行列を作る仕組みには、視覚というよりも、匂い(フェロモン)が強くその役割を果たしています。1匹のアリが地面に匂いの目印をつけながら、獲物へと向かい、持ち帰る。その匂いづけによって、ほかのアリの道しるべとなり、1匹、1匹と同じルートをたどっていき、行列を作るにいたるのです。

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アリの視覚は、小さな眼が合わさって形成される「複眼」の仕組みになっています。視力でいうと、人間よりもぼやけて見えるため、視覚での認識は難しいでしょう。ただ一方、アリには、人間では認識できない光、「偏光」が見えるため、それを頼りに、方向感覚を認識することができます。

さらに、アリ自身が何歩を歩いたかを記憶していて、記憶をたよりに距離感覚をつかんでいる、ともいわれています。

つまり、匂いと偏光などをつかさどり行動するアリは、状況の変化を察知することはできますが、人間自体を認識できている、とはいえないのです。

まとめ

アリは、匂いと偏光などで方向や距離の感覚をつかんでいることがわかりました。かれらは、危険な物体、として人間から避けているのですね。

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