平和で静かなおうちの中、ふと視界の端に映る謎の黒い粒。
さっきお掃除したばかりなのにまだゴミが?と思ってよく見てみれば、なんと小さな蟻だった!
ということ、あるのではないでしょうか。どこから湧いて出てきたのか出所不明な蟻の群れ。
そう、家の中に出現する蟻は、たいていわらわら行列を成していたり群がってたりと、それはもうたくさんいますよね。公園や街路などの外でよく見かける、あの小さな黒い蟻が、自分の家の中に……

シロアリだったら、まだ解りやすいでしょう。
でも黒いし、どこから入ってきたのかもわからない。しかも一度退治しても後から後から沸いてくる。
いったい何者なんだ?、と頭を悩ませる方も少なくはないと思います。
では、あの例の蟻達の正体を、少しだけ暴いてみましょうか。

小さな黒い蟻は危険度低?シロアリの天敵クロアリさん

小さくて黒い蟻、といっても、その種類は膨大です。
よくよく見ればちょっとずつ色合いが異なっていたり、形が違ったり、一部分だけ特徴的だったり、と個性はそれぞれあるのですが、正直人間の目でパッと見ただけではそこまでわかりませんし、わかるまで凝視していたくもありませんよね。
なので、基本的に黒っぽい蟻については細かい種別をひっくるめて『クロアリ』と称するようです。

蟻 小さい 黒

『ルリアリ』と呼ばれる2mmぐらいの蟻が一番真っ黒でイメージ通りでしょうか。やたらめったら大きかったら、『ムネアカオオアリ』と呼ばれる日本最大の蟻である可能性もあります。
ですが、クロアリと纏められるもののだいたいは、他の色の蟻に比べれば、ずいぶん控えめな害しか齎しません。

わらわら家の中を闊歩されるだけでも結構つらいものがありますが、実はシロアリと違って、クロアリは建物そのものにはあまり被害を及ぼしません。シロアリのように木材を食べて住み着いたりするのではなく、お家に入れる隙間からそっとこんにちはーと入ってくるわけです。

人間に噛み付いたり体をよじ登ってきたりする種類のクロアリも居ますが、大半はお家の中に散らばっている餌になりそうなものを真っ先に狙いますので、そこまで危険、というほどでもないでしょう。
しかし乳幼児の口周りにくっついて拭き取りきれてないご飯のかすを狙ってくることはありますので、とりあえず環境全体を清潔に保つのが大切になってきます。

見出しにもある通り、クロアリはシロアリの天敵です。シロアリは枯れた植物を好むか弱い蟻で、クロアリは攻撃性の高い肉食系なので、クロアリにとってシロアリとは格好の標的になります。
クロアリが居るからといってシロアリが居ない、というわけではないんですが、それでももしシロアリが家の下に巣食っていた場合、クロアリはそれらを自然と駆除してくれるのです。

微妙に、本当に微妙にですが、お家を守るお手伝いをしてくれている、のかもしれません。
そう考えるとなんだか、ちょっと優しくしてあげたい気持ちに……なりませんか?

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まとめ

お家に出たクロアリは放置していていいもの、とは決して言い切れません。種類によって行動も食の好みも変わってくるため、餌のあるなしに関わらず人間に噛み付いてきたりするクロアリもいます。
そのため、様子見するのも一つの手ですが、どうしても気になる場合は、きちんとした対処法を取りましょう。お部屋を清潔にしたり、入ってきそうな隙間をパテやテープで塞いだり。

巣に帰っていく蟻を追いかけて、その巣の近くに市販の毒餌を置いておくのもいいかもしれません。食性によって何を好むかが変わりますので、あまり効き目が無かったりもしますが、大抵は対策通りに居なくなってくれます。

それでも、家の床下に巣を作られている場合は、さすがにプロの業者さんの出番です。
上述にて『クロアリはシロアリを食べてくれる』と書きましたが、そうしてシロアリがいなくなったあと、シロアリが食べて広げた穴の中に今度はクロアリが住み着いてしまったりもするのです。

早急に追い出してしまうも良し、ちょっとだけ仲良く見守ってみるも良し。
人によってできる対処法が異なってくると思いますが、自分に無理を強いない程度の対処をしましょう。

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