身近なところのどこにでもいて、例え話やおとぎ話なんかでもよく出てくる生き物、アリ。地中に巣を作ることや、黒いものや黄色いものなどいろんな色の種類がいることなど、知ろうとせずとも気付かぬうちに覚えたことは、たくさんあるでしょう。

でも、そんなアリが実際どうやって生まれ、育っていくのか、詳しいところまでは知らない方のほうが多いのではないでしょうか。

別にアリのことについて詳しくなんかならなくても困らないし……とお思いの方もいらっしゃるかもしれませんが、実はアリの世界って、いろいろと奥深いことがたくさんあるんですよ。

今回はそんな中でも、アリがどうやって育っていくのか、というところに注目してみましょう。

アリが孵化する期間ってどれぐらい?

そもそもアリは、小さな卵から生まれてくる卵生生物です。アリの巣のなかで卵を産めるのは女王アリとされる1匹のメスアリしかいません。

蟻 孵化 蛹 期間

なんだかハチみたいだな、と思われた方。とても鋭いです。アリってそもそも、ハチから派生していったハチ科の生き物なんですよ。だからでしょうか、ところどころの在り方がハチとそっくりだったりするのです。

アリの卵の大きさはだいたい2mm程度。そこからだいたい2週間ほど経つと、脆い殻を破り、幼虫になって出てきます。この工程を「孵化」と呼びます。

アリの幼虫は、まだ自分でエサを食べることができません。そのため、アリの幼虫は女王アリや他の働きアリから口移しでエサを与えてもらい、除々に大きくなっていきます。

実は、アリも脱皮する生き物なんですよ。1ヶ月の間に4回、おおよそ1週間に1度のペースで皮を脱ぎながらすくすく育っていきます。

アリは蛹にもなる!?蛹から成虫になるまでの期間

アリは、卵から出てきた幼虫がそのまま大きくなって、あの外でよく見かけるアリのような姿になるわけではありません。その間に、1回だけ蛹になる必要があるのです。そもそもアリが蛹になるまでの過程なんて、育ててでもいない限り見たこともないのではないでしょうか。

ある程度成長した幼虫は、やがて自分の口から糸を出し、自分の身体をくるくると糸で包んで白い繭を作ります。その繭の内側で、アリの幼虫は蛹になっていくわけです。そうして卵として生まれてきてから、おおよそ2ヶ月ほど。繭の中の蛹は、成虫として成長しきります。

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しかし、繭の中に閉じこもったアリは、自分の力で外に出ることができません。そのため、他の働きアリ達に繭をバリバリ破ってもらって、ようやっと外の世界へ出てくることができるのです。自分で作った繭なのに自分では破れないというのも不思議な話ですが、内側から出ようとするのと外側から助けようとするのとでは、後者のほうが簡単なのでしょうか。

ともかく、繭から出てきたアリの身体には、蛹だった頃の名残か、薄い膜のようなものがこびりついています。それも全部きれいに取ってもらってから初めて、卵だったアリは立派な成虫として動き回れるようになるのです。

まとめ

ものすごく数が多いイメージのあるアリという生き物ですが、実際その数はだいたいの計算でしか弾き出せないほど多く、世界各地に散らばっています。そんなアリのことですからもうすこし簡単にぽんぽこ増えていくのかと思いきや、1匹1匹が生まれ育つまで、意外なほどに時間と手間をかける必要があるんですね。

女王アリや働きアリは、今日もせっせと自分の子供達を育てようと頑張っています。外でアリを見かけた時には、約2ヶ月間の苦労を鑑みて、ちょっとだけ優しく見守ってあげるのもいいかもしれませんよ。

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