私たちは地上を動き回るアリを見ることは日常茶飯ですが、アリの幼虫を見たことはありますか?
当然ながらアリも最初から成虫ではなく、卵から孵り、幼虫を経て成虫になります。
その間は基本的に外にでることなく、巣の中で育っていくのです。
実は、アリの子育ては非常に手厚いと有名なのです。
アリはどうやって幼虫を育てているのでしょうか? アリの役割にも注目して見ていきましょう。
アリの幼虫はどうやって育てるの?
アリが他の昆虫と異なるところは、産卵のあとの子育ても行う点です。
たいていの昆虫は産卵をしたあとは命を落とすことが多いため、産まれてからは一匹で生きなければならない状況が多いです。
しかしアリは巣を作り、皆で越冬するため、子育ても巣の中で女王アリや働きアリが行うのです。
孵化したばかりのアリの幼虫は、手足もなく一匹ではなにもできない状態です。
したがって女王アリや働きアリが餌を集めては与えます。
働きアリが持ち帰った餌を食べやすいように噛み砕いてから与えたり、あるいはそのうにため込んで口移しで分け与えたりします。
ちなみに、産まれたアリの幼虫は途中で脱落することなく、女王アリと働きアリが育て上げます。
女王アリは巣の中の働きアリの数を確認し、育てられるだけの卵を産むのです。
さらに成長のレベルに応じて小部屋を使い分け、均等にすべての幼虫に餌が行き渡るようにしています。
こうした徹底した子育てにより、幼虫たちは脱落することなくすくすくと成長していくのです。
アリの幼虫に与える餌とは?
アリの幼虫は基本的に働きアリが集めてきた餌をかみ砕かれた状態か、そのうで液体にされた状態で食べることになります。
アリは雑食のものが多いですが、昆虫の死骸から花の蜜、ゼリー状の餌までなんでも食べます。
吸蜜性のアリもおり、そちらは花の蜜の他に砂糖なども好んで食べます。
まとめ
アリの子育ての感心すべき点は、「すべての幼虫を成虫まで育て上げる」ところにあります。
昆虫などがたくさんの卵を産むのは、そのうち少しでも多く生き残るようにという数での勝負です。
しかしアリは「確実に育てられる」数をはじき出して産卵し、捨て置くことなく子育てをします。
それもただ餌を与えるのではなく、体の大きさや成長過程に応じて部屋をわけるという細かな配慮もなされています。
餌をあげるだけが子育てではない、成虫を確実に増やすためのアリの子育ては目を見張るものがありますね。