クロオオアリを家で飼育しようとしたとき、野生の女王アリを採集して育てる、というのがひとつの方法としてあります。
しかし、野生のクロオオアリ自体は、公園などでよく見ることができますが、そのほとんどが働きアリで、女王アリの姿を見かける機会はほとんどありません。女王アリは一体どうすれば見つけることができるのでしょう。
実はクロオオアリは、結婚飛行という、一部のアリやハチなどにみられる特殊な習性を持っています。この習性は、1年の中でごく限られた条件の日にしか見ることができません。また、その年に新しく生まれた女王アリが、この時必ず地上に出てきます。つまり、女王アリを採集するためには、この結婚飛行の時をピンポイントで狙う必要があるのです。
では、結婚飛行はいつごろ行われるのでしょうか。時間や条件などについて、詳しく解説していきます。
クロオオアリの女王が結婚飛行を行う時間
結婚飛行が行われる時間は、アリの種類によって違ってきます。クロオオアリの場合、5月から6月にかけての夕方ごろが結婚飛行のピークであると言われています。
クロオオアリの女王が結婚飛行を行う条件
時間も重要ですが、結婚飛行が行われるにはそれ以外にも必要な条件があります。気温が高く、雨上がりのように湿度の高い、晴れた風のない日が結婚飛行に適しており、この条件がすべて揃うと、あちこちの巣から女王アリとオスアリが一斉に飛び立ちます。
結婚飛行が終わると、女王アリは地上に降りてきて、みずから羽を落とし、卵を産む準備に入ります。
女王アリは結婚飛行後に自動販売機や街灯などの明るい場所に集まる習性があるので、採集したいときはそれらの場所を探すと比較的女王アリを見つけやすいでしょう。
また、産卵場所を探して地上を歩いていることもあるので、地面をくまなく探してみるのもいいかもしれません。
まとめ
いかがでしたでしょうか。結婚飛行というクロオオアリの生態を知っておけば、女王アリの採集はそれほど難しいものではなくなってきます。
すべての条件が整う日は1年のうちでも限られていますが、幸運にもそんな日があれば、ぜひ女王アリを探しに出かけてみましょう。いい出会いがあなたを待っているかもしれません。