家屋を棲み処とする虫害の駆除に頭を悩ます方は、多いかと思います。そのなかでも、アリの虫害は、容易に駆除することが難しいといわれています。
コロニー(集団)を形成するアリは、その社会性の強さを生かし、家屋の、人の目に見えない場所での生息と繁殖と行い、コロニーの命を守っています。家屋内で現れるアリは、全体の1割ほどの数といわれており、駆除には根気強さが求められます。
アリ、と、一言で紹介しましたが、家屋に侵入するアリには、大きく分けて2種類があります。それは、「アリ」で多く連想されるであろう「クロアリ」と、木材を主食とする「シロアリ」です。
今回は、クロアリとシロアリの違いについて、説明していきたいと思います。
アリ(クロアリ)とシロアリ、どこに違いがあるの?
クロアリとシロアリの大きな違いは、先ほど触れましたが、肉食か、木材を主食とするかにあります。
とくに家屋の被害でいうと、シロアリは、枯れ木と勘違いして、家屋の木材を食べてしまうため、直接的な被害を与える種類といえます。
いっぽう、クロアリは木材を進んで食べることはありません。そのため、家屋の木材に悪影響を与えることはまずありませんが、しかし、クロアリは人知れず巨大な巣を作るため、かれらの強い繁殖力をもって、大量に、長く家屋に棲みつく恐れがあります。
さらに違いを見ていくと、クロアリは、シロアリを食用として襲うことがあります。シロアリには、たんぱく質が豊富に含まれている昆虫です。肉食のクロアリは、シロアリの栄養を求めて襲いかかりますが、シロアリの生命力が極めて低いため、彼らを容易に捕らえることができます。
そもそも、「アリ」と名の付く両者はありますが、祖先はそれぞれ、クロアリはハチ、シロアリはゴキブリ、と、異なる生物なのです。
また、その特性上、クロアリの棲息によって、シロアリを発見することができます。クロアリがよく現れる場所が、家屋内に発見できたとき、主食とするシロアリの棲息も同時に考える必要があるでしょう。
まとめ
以上で、クロアリとシロアリの違いについて紹介していきました。クロアリ、シロアリともに駆除は容易に完了するわけにはいきませんが、両者の特性を見たうえで、駆除方法を検討するべきでしょうね。