皆さんは「蟻が大量発生したら地震の前触れである」というようなことを聞いたことがあるでしょうか?
昔から、地震の前にはいろいろな生物が異常な行動にでると言われていますが、こうした話には、科学的根拠のない、迷信や都市伝説のようなものも多いのも事実です。はたして蟻にも同じことが言えるのでしょうか。
今回は蟻の大量発生と地震との関係性についてまとめてみました。
蟻の大量発生と地震との関係
結論から申しますと、蟻と地震には密接な関係がある可能性は大きいのです。数年前、蟻に地震の発生を事前に予知する、もしくは感知する能力が備わっている可能性があるということが、欧州地球科学連合(EGU)の年次総会にて発表された観察記録により明らかとなりました。
この観察記録は、ガブリエル・ベルベリッヒという生物科学者が、ドイツの断層付近に生息するアカヤマアリという種類の蟻の生活を3年の間記録したものです。この記録によると、マグニチュード2,0以上の地震が発生する際にアカヤマアリの行動に変化が見られたそうです。
通常この蟻は、夜は巣の中で生活しているのですが、地震が発生する前には、大量に巣から這い出し、夜通し巣の外で過ごしていることが、この記録により確認されました。
この蟻たちは大気や地球の電磁場の変化を感知することにより、地震の発生を前もって予知し、地震による巣の崩壊から身を守るために、普段は巣の中にいる夜間でも巣の外にでているのではないかと、この生物学者は考えたようです。このように、蟻の大量発生と、地震の発生には関係性がある可能性が高いようです。
まとめ
今回は蟻の大量発生と地震との関係性についてまとめてみました。生物の異常行動と自然災害の関係は、昔からいろいろ言われていましたが、今回ご紹介した「蟻の大量発生と地震の発生」に関しては、科学的な実験や観察も行われており、かなり有力な説のようです。
こうした話を、都市伝説ですとかオカルト話として処理してしまう人も多くいると思いますが、今回のように現実的な話もありますので、このような生物の行動などを科学的に検証してみることは面白いことだと思いました。